「え、ええ。勿論大丈夫よ。問題無いわ。」

「無理するなよミルク、何かあってからじゃ遅い。
具合が悪くなったら早めに言え。」

ミルクの後ろを歩くアルベルトは、そう言って胸ポケットから取り出した小さなタブレットをミルクに手渡した。

「ありがとうアル。
でも本当に大丈夫よ。少し緊張しているだけ。

呼吸は思ったより楽だし、変な臭いも感じられない。

それに、きっとゆっくり降りてきたせいね。気圧もそれ程体に負担になっているとは思えないわ。」

「的確な分析ありがとう、ミルクちゃん。

そういう感じだからさユーロ、僕たち意外に図太いみたいだよ。」

ビルは前を行く男に向かって親指を立てて見せる。

「そか。それは良かった。」

ユーロはうんうんと頷くと、ほっとしたような声を出した。