「すぐに仕度しろよ!
アタシは爺ちゃんみたいにユルくないからな!!」
「はいは~い。」
少年は、カツカツと音を鳴らしながら階段を駆け下りていくニコルの後ろ姿を見送ると、
「エドも、そんなに優しくは無いけどね・・・。」
そう呟いて小さな溜め息を吐く。
「ま、無理ないか。
僕、ジャマモノ・・・だもんね。」
その視線は左腕に着けられた、ブレスレットのような装置へと落ちる。
装置の中央には小さな青いランプが埋め込まれ、少年の動きに合わせてまるで脈打つように点滅していた。
「ジャマモノっていうか・・・やっぱり・・・敵?」
青いランプは、それに呼応するようにチカチカと点滅する。
「やっぱね。」
その時、階下から大きな声が響く。
「セシルー!
何やってんだよ、早く仕度しろっつーの!
ベラから怒りの電話が入ってんだから」


