「NANOとの回線が無くなっても・・・か?」

「勿論。
その為に彼を雇っているんですからね。」

「しかし、何故事前に連絡をして来ない?
彼は本当に信用できるのだろうな?」

「恐らく彼は裏のルートを探られたくなかったのでしょう。

けれどその弱点がある限り、彼には我々を裏切る事が出来ない。

No Problem ですよ理事長?」

――カチカチ・・・
音声モニターの向こう側から端末を操作する音が響く。

「彼ら、動き出したようですよ?
位置を示す座標がZ軸下方向に伸びています。

さて、次にどんな報告が入るか・・・
楽しみですね。」

「あぁ。
そうだな。」


声のトーンを上げるハイバラにゼオ・イレイズはそう答えるが、その脳裏にはもう一つ別の疑問が影を落とす。