「え、僕?」

「確か、お前の父君は大きな貿易会社を経営してるんだったよな。NANOもその相手国の中の一つ。

ジェニファーちゃんともその辺のコネクションだったりするんだろう?

お前の父君のルートを拝借出来ればNANOへの渡航は不可能じゃない。」

アルベルトはそう言いながら液晶画面にビルの父親の会社のサイトを立ち上げた。

「ちょっと待て。」

「ビル、あなたに対する数々の暴言は謝罪させていただくわ。ごめんなさい。

やはり、持つべきモノは友達よね?
本当にあなたが同じ研修生で良かったわ。」

ミルクはビルの肩に両手をポンと載せると満面の笑みを浮かべる。

「だから待てって・・・。」

「あら、まだ何か質問がおありかしら?」