「行くぞ。」

アルベルトも校長に軽く頭を下げるとミルクの後を追う。

「お、おい、待てって・・・」

ビルは二人の後に続こうとしてふと立ち止まり、女性に向き直る。

「Mrs.フローラ、確かに僕達はこの学校の生徒だけど、この学校を一歩出たら、僕達はこの学校の生徒であり、一個人でもあるわけで、一個人の僕達は一個人の責任において行動できる。

そうですよね?」

「え、ええそうですね。 Mr.ビル・ハーディ。」

「・・・わかりました。
ありがとうございました。 Mrs.フローラ」

ビルはそう言って頭を下げると、口元に薄い笑みを浮かべながらその場を後にした。


三人が去った扉を眺めながら女性は小さな溜め息を漏らす。

(良くも悪くも・・・規格外の生徒達だこと。)