「成績優秀者は研修生としてNANOへ赴き、その最先端の技術とノウハウをVINOに持ち帰る事。

歴代の研修生達の様に、学校側が決めたその目的だけの為に私がNANOへ渡ると思っていた?」

「あ・・・いや・・・」

アルベルトは思わず口ごもる。

「そうよね。
成績はあなたと並んで常にトップ。
品行方正で学校からの信頼も厚い。

ここを卒業したら、当たり前のように国立カレッジへ進学し、将来はVINOの政治や経済を司る人間になる。

たぶん・・・みんなは私の事をそう思っているのよね?」

「違うのか?」

「ええ・・・。 違うわ。」

ミルクはそう言うと、アルベルトの真横へとその体をスッと移動させ、真直ぐにその目を見上げた。

「私は、今のままではVINOの中枢へは入れないのよ。

その資格が無いの。」

アルベルトは眉を寄せてミルクを見つめる。

「何故?」