国立ペンドルトン・ハイスクールの屋上。

空中ガーデンとして創られたそこには、一年を通して可憐な花々が咲き乱れている。

ミルクは、小さなオレンジ色の花が風にそよぐ一角に置かれた、深緑色のアームチェアーにストンと腰を下ろすと、ふぅっと大きな溜め息を漏らす。

「悪いなミルク。
こうなったのは、僕のせいでもあるんだ。」

アルベルトは少し離れた所に腰を下ろすと、ミルクに向かってそう言った。

「アル達がNANOで何をしようとしているか、そんな事に私は興味ないけれどね、私の目的の邪魔をされるのは赦せないのよ。」

ミルクは真直ぐに前を見たままそう応える。

「目的・・・?
そう言えば、君の渡航の目的を聞いていなかったな。」

ミルクはちらりとアルベルトの方に目を遣ると、またすぐ視線を元に戻して軽い溜め息をつく。