ψ7. 模範生の秘密





カチ・・・カチカチカチカチ・・・

ヴィリジアン・ルームでは、気忙しくキーを叩く音が響いていた。

「まったく! なんでこんな事に・・・」

校章の入った小さなリングをはめた指を止める事なく、ミルクは吐き捨てるように呟く。

目の前にあるモニターには、次から次へと膨大なログが流れ落ちていく。

「あぁもう、これじゃキリがないわ!」

ミルクが堪り兼ねてキーボードをバン!と叩くのと同時に、背後の扉がカチャリと開いた。

「ごめん!!
ごめんねミルクちゃん!!」

そこには息を切らしたビルと、後ろにはアルベルトの姿が見える。

「ビル、一体どういう事なの?!
渡航まで後一ヶ月も無いっていうのに、どうしてここのシステムがウイルスに犯されちゃうのよ!

お陰で、データファイルは消失しちゃうし、NANOとのアクセス権さえ無くなっちゃったじゃない!」