いつの間にか雨は上がっていた。

 
 
 湿っていて でも、太陽が眩しくて気持ちいい。


 
 前からエナメルバックを持った男の子が走ってくる。


 

 顔は太陽が眩しくて見えない。



 近づいてニオウ汗のニオイ。



 すれ違って感じた何かをわたしはまだ分からなかった。



 わたしは振り返って彼を見る。


 

 なぜかわたしの頬には一筋の涙が流れていた。