*お前を抱きたい*短編

手が温ったかい…?



「ん……」



目を覚ますとそこには心配そうな顔をした隼人の顔があった。


あたしの手をしっかりと握って。



「柚由!」


「隼人…あたし……」


「お前、貧血で倒れたんだよ。ここは病院」


そっか、あたし……あのまま倒れちゃって…。



「お医者さんが栄養不足と睡眠不足だって、言ってた」



「…うん」




隼人が怒ったような顔をしてあたしの頬をつねった。



「なんで、胸なんて大きくしよーとしてたんだよ」


「な!なんで!!」


なんで、知ってるの!?


隼人はあたしが愛読していた[激ヤバ!胸が大きくなる方法]を取り出した。


「柚由の家族に連絡するためにケータイ探してたら、カバンに入ってた」


「…~っ」


どうしよ…!

あたしが貧乳だって…バレちゃった…!



「小百合ちゃんに電話したら話してくれたよ。お前、貧乳なの気にしてたんだって?」



そんな露骨に…!



あたしは恥ずかしさで死にそうになりながら頷いた。