目の前で露店を熱く語る先輩が突然振り返った。


「なっ!あのトンボ型の花火かっこよかったよな!」


ちょっと幼い笑顔にクルミと二人で思わず吹き出してしまった。


「突然なんですかぁ?」


「いやいや、名取たちなんか真剣な顔してるからさ」


ポリポリと鼻をかく先輩に尾沼さんがまぁまぁと肩を抱く。