向日葵のうた

朝ご飯を食べたら、歯磨きをして、あたしはお姉ちゃんにもらった香水をして、お兄ちゃんにもらった財布を使おうと思って、中身を移していたら、びっくりした。




お兄ちゃんがくれた財布にはすでにお金が入っていた。




「お兄ちゃーん」



「ん?なんだぁー?」




あたしはお兄ちゃんを呼んだ。




これから出勤らしく、スーツを着ていた。




「財布にお金入ってるよ?」



「ははは、これは餞別だよ。お母さんとお父さんには内緒だぞ?紫陽花と俺からの祝いだよ」




「ありがとう」




素直に喜ぶとお兄ちゃんはあたしの頭を撫でた。




「可愛いなぁ、向日葵は」



小さな声だったから聞こえなかった。




「ん?」





「なんでもないよ」





あたしは財布と筆記具などを鞄に入れて部屋を出た。