「た、拓海と話してたんだよ。」
あたしは一か八かでお兄ちゃんに言った。
「なんでわざわざ会わなきゃいけなかったんだよ?」
久しぶりにSのお兄ちゃんを見た気がした。
「どうしても会って話したかったんだって…」
こんなこと言ったらお兄ちゃんはきっと、『何を』なんて聞いてくるに違いなかった。
「何を話してたんだ?」
「あら日向、そんなこと聞いちゃだめよ?」
またお母さんは助け舟を出してくれた。
「分かった。」
渋々だけど納得してくれたみたい。
「友達は出来たかい?」
優しいお兄ちゃんに戻った。
「出来たよ。苺っていうとっても可愛い子だよ。」
あたしはそうお兄ちゃんに言った。
「良かったな!」
「ありがとう。お母さん、ご飯になったら呼んで…寝る」
あたしは自分の部屋に行って眠りについた。


