向日葵のうた



そんなこと言われたって…





あたしは覚えていない。







お兄ちゃんが高校生ん時っていうことは…







だいぶ前の話になる。








そんな前の話覚えていない。








お兄ちゃんが高校生の時ってことは…







あたしは小学生の時だ。しかも低学年の頃と来たもんだ…







覚えているわけがない。





「えー…覚えてないよ?お兄ちゃんが高校生ん時は、あたしまだ小学生の低学年だったもん…」





拓海に言った。





拓海も幼かったはずだ。





「確かにな…。先生は、向日葵の顔に見覚えあったんだってよ…。」





語尾がだんだん小さくなっている。






これは小さい時からの拓海の癖の1つだ。