美女で野獣

ふとずっしりとした声がボク達の後ろから響いた

扉を開く音とともに



「お父様ッ…」
この人が…お父様

一言で言うと若い。
ツリ目で薄茶色のサングラスをしている

ゆうに180cmは超えているだろう
だかけしてごついわけではない

「誰だコイツは…新しい執事か?汚い服だ」
そう言って紀奈のお父様はボクを上から下へとじろりと見回す

「違うの、お父様…この人は」


「初めましてお父様。紀奈様とお付き合いさせていただいている新橋隼人です」

しっかりと目を見て精一杯の気持ちで言った

「ふ…ハハハハ…ふざけるなッ!」

紀奈の肩がビクッと上がる


「もっとまともな嘘がつけないのか?こんなヤツの何処がイイと言うんだ?親は何の仕事をしているんだ?」

「サラリーマンです、会社員」
「話す気にもならん」

ツリ目が一瞬ボクを捕らえたがすぐに紀奈のほうを向く

「来なさい」
「―――ッ!」

紀奈は拳を握り締めギュッと口を閉じている


これからボクの悪口を言うのだろう
こんなかっこよくもないし金持ちでもないこのボクの。

「隼人ッ!」

紀奈は足をばたつかせ僕の服を必死に掴む

ボクも紀奈の手をとったが紀奈のお父様が「ジイ」と言うと背後から、ぞろぞろと執事がでてきてボクと紀奈はバラバラにさせられてしまった


「やめてッ!いやあああッ!」
ドアの向こうから紀奈の悲鳴が聞こえる

「はなしてくださいッ!貴方は僕たちの事を喜んでくれたじゃないですかッ!」

執事の群れの中に紀奈専属の執事の人がいたからその人を睨みつけ、必死に抵抗する


「申し訳ございません。ですがご主人様の命令は絶対なのです」


そんな申し訳なさそうに言うんなら始めからしないでくれよっ…!!

何でボク達をバラバラにするんだよっ!!


…んで…

「なんでだよおッ!」
紀奈の馬鹿でかい寝室にはボクと、ジイと、そのほか数人の執事達


ボクは紀奈のベットの上の掛け布団をきつく握り締めた


「紀奈…」