美女で野獣

プルル―…

心臓がバクバクウルサイ。
電話を伝って聞こえてしまうんじゃないだろうか?
なんでこんなに緊張してるんだ、ボク。


謝ればいいだけ―。



ガチャ

「もしもし。」
「ぁっ!!もしもし。」
「隼人様ですね?」
「はぃ。」
「少々お待ちくださいませ。」


このヒトは、ジイと呼ばれてる召使か。

「もしもし。」
「もしもし紀奈?」


「ぅん。」


沈黙―
ぅうう…。
「ごめんなさぃ。」
「へ?」

ボクの耳がおかしいのか?
紀奈が、ごめんなさい?!

「ちょっと、聞いてるの?」
「ぁあ、うん。」

「ヒトが素直に謝ってるのよ?なんとか言いなさいよ。」

「ボクも、悪かった。」
「…っ。」
「ごめんな。」

「会いたい―…。」
「!?」



「会いたいのっ!!とっとと来いっ!!」




ガチャッ

ツーツーツー

「?会いたい…、ね。」
頭の中が?でいっぱいだ…。
そこらへんにあったジャケットを着て、いそいで家を飛び出した。

「紀奈…。」
何があったんだろう?

少しの期待と、大きな不安を乗せ、ボクは走った。




「隼人様。」
「ぁ…はい。」
「こちらでございます。」

ボクは、ジイの後についていった。

「どうぞ。ごゆるりと。」
「ぁりがとうございます。」

―キィ

「紀奈…。」


「隼人…。」