「…はぁ…はぁ…っっ」

息を切らしながら、亜璃守は学園から近くの商店街まで来ていた。

「…本当に……殺し合いなんですのね…もう嫌ですわ…もう…っっ」

「見ぃつけたぁ…♪」

突然背後から声がした。











凛だ。

凛の目は今にも人を食べそうなほどに見開かれ、おかしかった。

「や…やめて……そ…そうよ。ゲームをリタイアすればいいのよ。
 ねっ?そうでしょ狂咲さん。」

亜璃守は必死に問う。

殺さないで、コロサナイデと鳴くように。



「…そうだね。ゲームを離脱…うん。いい考え^^だから殺してあげる。
 もう亜璃守につべこべ言う権利は無いよ^^」


凛は笑顔で迫って来る。

「い…いや…やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

亜璃守は必死に逃げた。だが、後ろは壁。前は…凛。

「亜璃守…?亜璃守ぅぅぅぅぅっっっっ!!!」





かすかに…


かすかに玖珠守の声が聞こえた。

ザシュッッ!!グシャ…


「亜璃守ちゃん、ゲームリタイアでゲームオーバーだね^^ばぁいばぁ~い♪」


―嗚呼、死んでしまうのね。

   ねぇ千李。最期に一度、千李の顔が見たいですわ…。

    千李……

      ずっとずっと、貴女が大好きでしたのよ…私。

       …嗚呼。御別れね。…さようなら。サヨウナラ…―

亜璃守は倒れた。

姫のような、やすらかな眠り顔。

亜璃守は…

「ヒトリメ」ノ「ヒガイシャ」トナッタ。