陸と玖珠子は公園に着いた。


学校からはだいぶ離れている。

凛も此処までは来ないだろう。

「…どうしてだろうな。」

陸がぽつりと呟いた。

「…え?」

玖珠子は、星やらダイヤやらペイントしてある顔で陸を見た。

「凛。最近おかしいとは思ったんだが……まさか…こんなに変わったなんてな。」

陸は、鋭い目で遠くを見つめている。


「…そ…だよね。あの時の凛の顔、笑ってた…。」

玖珠子は、だまって下を向く。

「…つか、いつも思ってたんだけど、何で玖珠子って名前?
 しかも何でペイントでピエロの格好?」

苦笑いをしながら陸は聞いた。

「この街って、『乃木サーカス団』あるでしょ?それが家なんだ。
 で、皆がこういう格好なの^^この学校、規則ゆるいし^^
 名前は…みんなに笑顔をもたらすように…って事で、玖珠子になった^^」


玖珠子は満面の笑みを浮かべながら答えた。

本当は怖いのに。怯えているのに。


きっと、作り笑い。

「へぇ…。」

「き…キャァァァァァァァァ!!!!!!!」


突然向うから亜璃守の叫び声が聞こえた。

「ま…さか……亜璃守…
 亜璃守ぅぅぅぅぅぅ!!」


玖珠子は叫んだ。亜璃守に声が届くように。






ピエロノオモイガトドクヨウニ。