幼なじみの友達


今年は何を言うのか少しワクワクしていた。


「俺,遠山夏っス。まぁ適当に『夏』って呼び捨てでいいよ。」


何か適当だね。
適当にとか言われてもね~。


「で,俺背は低いかもだけどジャンプ力はあるんでーいちおうバスケやってる」

そう。夏は小さい時からボール遊びが好きだった。
背が低くてもバスケ部に入部して,毎日頑張ってるみたい。本人が楽しそうにゲームしてるから私は止めようとはしなかった。


「バスケは好きだけど勉強はマジでできねぇからみんなよっしくッ!」


クラスのみんなが笑った。
緊張していた人たちも夏の話を聞いて少しはリラックスできたみたいだね。

夏はなんていうか,場を和ますっていうか,盛り上げる力があるみたいなんだ。

昔から夏が話し始めると,ギクシャクしていた友達もあっというまに元通り。
喧嘩が馬鹿らしく感じるんだって。