「俺らまた前後ろだな。よろしくな~亜綺さん♪」 面白がってる。 亜綺さんなんて。 普段は言わないくせに。 「はいはいよろしくね,夏君」 私も同じように真似して返してみた。 夏の顔を見てみると,ニカッと笑っていた。 夏が嬉しそうに笑ってるの久しぶりに見た気がする。春休みはずっと会ってなかったから。 お互い遊びの約束もせず,自由に過ごしていた。 だって幼なじみっていったって,男と女だからね。 遊ぶこともないし,場所もないし。 出かけたとしてもすぐ「ぁ~眠て」とか言われそうで嫌だった。