ミステリアス∽ストーリー

「握手は嫌い?それとも…、不信感?」

舞は、言葉とは全く釣り合わないほど、満面な微笑みで言った。

心を読まれた様で、愛梨は、目を丸くした。

「まっいっか、握手なんて。名前、覚えてね」

「尾上…さん」

「はい、そうです。舞って呼び捨てでもいいから。宜しくね」

「あ、うん。宜しく」

授業が始まるチャイムが鳴った。

「ヤバイ!早く教室に入ろう」

「うん」

舞が、教室の扉を開ける。

「良かったぁ。先生、まだ来てない。セーフだね」

舞が、小声で愛梨に囁く。

「うん」

「急ごう」

愛梨と舞は、急いで各々の席に着いた。

愛梨は、ふと、視線に気づく。

目を移すと、クラスメイトが、異様な目つきで見ていた。

異様な視線は、愛梨だけではなく、舞に対しても注がれていた。

愛梨は、その意味が理解できなかったが、そんな目で見られる覚えはないと思い、クラスメイトからの異様な視線を見据えていた。


化学室の扉が開く音がした。

「皆さん、何に注目しているのですか?前を向きなさい」

入ってきた教師は、教壇に立ち、非常に通る声で生徒達に促した。

生徒達は、一斉に前を向き、姿勢を正す。

東郷 麗香が起立をし、教師に一礼をすると、生徒達は、一斉に教師に謝罪をした。

朝礼の時と同じ、麗香の号令とともに生徒達が一斉に起立をし、教師に、授業開始のお願いの挨拶をすると、教師は、速やかに授業を始めた。

生徒達は、とても真剣にノートに記し、教師の言葉に集中して、真っ直ぐに前を見て、聞き入る。

授業は、生徒達の真剣な空気の中、刻々と進んでいくのだった。