いつか



トボトボ歩いて帰った帰り道。


タイミングがあったら渡そう。
何て甘い考えだったから…、
あたしは渡せないまま家までたどり着いてしまった。

渡したい―。


そして、

全くと言って良いほど、

あたしを見ていない昂平に

少しでも意識して欲しいな…

そう思った。

だから、あたしは、
部活帰りの昂平を不本意ながらも待ち伏せすることにしたんだ。


足音が聞こえて来る…。

あたしはじっと待った。


はぁー。ふぅー。

深呼吸をする。