さっきから、友達と昂平のクラスの前に来てるのは、嶺那だ。 「はやく渡しちゃいなよ! ほら!嶺那〜?」 「分かってるよ―。」 そんな会話が聞こえて来る…。 お幸せそうで! 何だかイライラしてしまう。 あたしはいてもたってもいられなくなって、トイレへ駆け込んだ。 あぁ。あたし、何やってるんだろう…。 あたしも昂平にあげるチョコは、 作ってきてある。 もちろん、好きだなんてことが ばれないように、優祐と愛良の分もある。 そんな義理チョコなのに 渡せてないあたしがいる。