【レン】
文化祭準備の間、あたしはほとんどヒロくんとうーちゃんと一緒に行動していた。
遠目から遥くんを見ていたけど、自分の気持ちがはっきりしない。
でも、遥くんの声を聞いてると安心するし、落ち着く。
そんなある日、事件はおきた。
いつもどおり、遥くんの声を聞いていると…。
ドキドキっていう気持ちより先に、モヤモヤっていう気持ちが出てきた。
紫緒里先輩と仲良さそうに話している遥くんの声を聞いた時に。
「それってヤキモチじゃね!?」
「そうなのかな…。だってまだ出会ってそんなに経ってないし、遥くんのことあんまり知らない…。それでも恋することってあるの?」
「そんなん、あるに決まってるだろ。人を好きになるのに理由なんてねぇし、時間なんてそれこそ関係ねぇ。キッカケがあれば十分だ。」
「そっか。じゃあこの気持ちは恋なの?ドキドキとかしないよ?」
「………。それがレンの恋の仕方なんじゃないか?」

