りんごあめみたいな


ちょっとニヤけちゃう。



嬉しいんだ。


昨日の落ち込んだ気分はすっかりなくなっていた。



その時



「ねぇ、聞いた?!3組の小川さん、彼氏と別れたんだって!」



ドサッ


あたしの動きが止まると同時に鈍い音が隣から聞こえた。


隣を見ると中島も同じように動きを止めていて下には中島の鞄が落ちていた。




「あ~知ってる!この前のお祭りの日に喧嘩して、そのまま昨日メールで“別れよう”って言われたらしいよー」



「かわいそうだよねー」



小川さんに気を遣う気はるのか。



彼女たちの声はかなり大きく昇降口周辺に響いていた。



この周辺に小川さんがいなければいいけど。



靴を脱いで上履きに履き替える。



ちらっと中島の顔を盗み見る。


中島は明らかに動揺している。