りんごあめみたいな

涙を拭いてあたしは歩きだし、祭り会場近くにある神社に来た。



祭りの華やかさや賑やかさとは違って、ここは灯もついてないし、カラフルな屋台の看板もない静かな場所だった。



そのまま石段に座る。



座った途端、涙があふれ出て行く。



視聴覚室の時よりも声を出して。




ポツリ。




雲行きが怪しくなったかと思うと雨が降って来た。


雨はだんだん強くなる。


良かった、神社に来ていて。


もし、神社に来て雨宿りしてなかったら大事な浴衣が汚れちゃうところだったんだから。



雨が止むかはわからない。


ただ、この雨のおかげであたしがどんなに大声で泣いても雨の音にかき消されるから。



泣いている間、あたしの頭は中島と小川さんで一杯一杯。