りんごあめみたいな

あたしはりんごあめを見るように下を向く。

『トマト…』


俯いたままでもう一度、呪文を呟く。


分かってる。


もう呪文の有効期限は過ぎてる。


だからもう中島は来てくれないって。



でももし99%呪文の有効期限が過ぎたのだとしたら実は呪文はまだ有効ですっていう1%に想いを賭けたんだ。



ゆっくり、ゆっくり。


怖い。


そんな気持ちを押し込め、見上げる。



『…。』




気付いた時にはあたしの頬には涙がつたっていた。









中島…。