あたしは視聴覚室に入った。
運良く鍵もあいてるし。
次の授業はサボる事にした。
視聴覚室の隅にしゃがみこむとさっき中島に掴まれた腕が熱かった。
熱くて。
熱くて。
苦しいんだ。
まるで白雪姫に出てくる毒林檎を食べてしまったように。
でももしあたしが毒林檎食べたらもう二度と眠りから覚められない。
だってあたしの王子様は、真っ赤なトマトの中島はあたしに振り向いてくれないから。
そう思うと涙が頬を流れてた。
我慢していた苦しみが涙になって、喉を伝って声になって、ぶわっと体から溢れ出る。
良かった、視聴覚室にいて。
ここなら生徒や先生がいる教室や職員室には近くないし、声だって廊下には漏れにくい。
泣いて、泣いて、泣いたあと。
ちょうど今日の授業も終わって、帰宅部は帰っていく。
しばらくしてから教室に行こう。
そう思っていたら視聴覚室のドアが開いた。
中島?
ちょっとだけ、期待を胸に見上げた。
小川さん…?
小川さんはあたしを見ると、にこっと笑ってあたしの前まで来る。
ちょっと警戒する。
「ごめんね。さっき泣いてたから。心配でさ、探してた。」
『え?あたしを?』
小川さんは勿論、と頷く。
「何があったか、言いたくないなら言わなくてもいいよ。無理に聞かないから。」
小川さんの透き通る声が心地よくて。
「でも中島も私も心配してるよ?中島もいま探してるし。」
小川さんの優しさが暖かくて。
本当に小川さんは良い人だ。
クラスでそこまで仲良くないあたしのために探してくれた。
きっと中島が小川さんを好きじゃなかったらあたし、小川さん大好きだった。
運良く鍵もあいてるし。
次の授業はサボる事にした。
視聴覚室の隅にしゃがみこむとさっき中島に掴まれた腕が熱かった。
熱くて。
熱くて。
苦しいんだ。
まるで白雪姫に出てくる毒林檎を食べてしまったように。
でももしあたしが毒林檎食べたらもう二度と眠りから覚められない。
だってあたしの王子様は、真っ赤なトマトの中島はあたしに振り向いてくれないから。
そう思うと涙が頬を流れてた。
我慢していた苦しみが涙になって、喉を伝って声になって、ぶわっと体から溢れ出る。
良かった、視聴覚室にいて。
ここなら生徒や先生がいる教室や職員室には近くないし、声だって廊下には漏れにくい。
泣いて、泣いて、泣いたあと。
ちょうど今日の授業も終わって、帰宅部は帰っていく。
しばらくしてから教室に行こう。
そう思っていたら視聴覚室のドアが開いた。
中島?
ちょっとだけ、期待を胸に見上げた。
小川さん…?
小川さんはあたしを見ると、にこっと笑ってあたしの前まで来る。
ちょっと警戒する。
「ごめんね。さっき泣いてたから。心配でさ、探してた。」
『え?あたしを?』
小川さんは勿論、と頷く。
「何があったか、言いたくないなら言わなくてもいいよ。無理に聞かないから。」
小川さんの透き通る声が心地よくて。
「でも中島も私も心配してるよ?中島もいま探してるし。」
小川さんの優しさが暖かくて。
本当に小川さんは良い人だ。
クラスでそこまで仲良くないあたしのために探してくれた。
きっと中島が小川さんを好きじゃなかったらあたし、小川さん大好きだった。

