「表情は泣きそうな表情ってイメージだな。」
「分かった。」
夏川大地のアドバイスを受けながら私は頑張る。
何でだろう。
演技って楽しいって思えてきた。
それに
普段嫌な夏川大地といるのに今は……。
パートナー…か。
「…スタート!」
「望、また彼女できたんでしょ…?」
撮影場所に戻ると早速、演技をする私。
「だから何だ?」
「望のそういう所、嫌だ。本気じゃないんでしょ?」
「だったら?」
「望なんか大っ嫌い。」
私はそう言う。
すると
「カット…」
監督さんが言う。
また…ダメ出しかな?
「オッケー、里緒ちゃん。良くなった。シーン2は学校だから、明日…バスで移動だ。じゃあ終わり。」
監督さんはそう言う。
「あ、ありがとうございました…」
私はみんなに言う。
やっぱり
演じるって楽しい!


