や、やば…
私がいる方に
夏川大地は来る。
逃げなきゃ。
だけど
「里緒。」
――ドキッ
夏川大地は私に気付く。
「は、はい?」
「あれくらいでくじけたのかよ?お前は。」
夏川大地は私にかなり顔を近付け言う。
「…だって…」
私は本当に
だめな奴なんだもん。
「お前な、そんなんじゃだめだ。俺なんかデビュー当時はクソとまで言われたぞ?」
夏川大地が言う。
……え……
「な、夏川大地が?」
今、
トップ俳優の…
「有名な女優と俳優の息子なのにあいつはだめだとまで言われてたんだ。」
夏川大地が言う。
そういえば
高梨先輩にそんな話
聞いたな…。
「でも今こうなったのは、俺が最強だからな。」
夏川大地は笑って言う。
最強って…


