「高梨には負けない。」
夏川大地はそう言う。
「負けない…?」
そういえば
高梨先輩もそんなような事を……。
「お前をパートナーにしたいんだ。」
夏川大地が言う。
「パートナー?」
「うちの学校のルール。男女でパートナーを組み、演技のレッスンを毎日二人で頑張る事。」
「……え?」
じゃあ夏川大地の訓練や
高梨先輩が訓練誘ってきたのは……
パートナーを選ぶため?
「なんだ、パートナー争いか。でも何で私?演技未熟なのに…」
二人は何で……
「演技だけじゃねぇよ。鈍感女。」
夏川大地が言う。
「ど、鈍感?」
「はぁ、何でこんなバカを……」
夏川大地がため息をつく。
「ば、バカ?」
「とにかくこの合宿で俺を選ばせるからな。」
夏川大地はそう笑って言った。
な、何なのさ……。


