姫は王子様だけのもの!




…ぇえっ!?



「な、な、な…」


夏川大地…?


私の初キスは
夏川大地!?


「な、何するの…」


でも


嫌という感情がない自分にびっくり。


ドキドキが止まらなくて。


認めたくないけど


やっぱり私は夏川大地に…


「喜べよ。俺が初キスだぞ?」


夏川大地が言う。


「…は、はい?」


なっ……


「言っただろ?デートの練習だって。」


夏川大地が言う。


「…え?」


じゃあ


本気じゃ…


「お前なんかにマジでするかよ。」


夏川大地が言う。


……え……


「ひどい…。」


夏川大地はやっぱり
嫌な奴だ。


私の初キスを

ドキドキを返してよ…。


こんな奴

大っ嫌いだもん……


好きなんかじゃない…


好きになんか
なりたくない…


なのに

胸は痛み続ける。