「俺に抱きつくとはな。」
夏川大地が笑って言う。
…う…
「次は絶対しな…ひゃあ!」
また夏川大地に私は
抱きつく。
「お前の完敗。」
夏川大地が言う。
く、くそーっ。
でも
私は
好きになりかけてる…?
やだよ。
夏川大地だけは絶対。
なのに
「バカ里緒。」
夏川大地が笑って言うと
私はドキッとする。
多分
今日の私はおかしいんだ
絶対
認めないからね!
夏川大地が好きなんて。
高梨先輩と揺れてる
なんて。
高梨先輩だけ…。
なのに
「本当、びびる里緒最高。」
夏川大地がおばけ屋敷を出ると笑って言う。
「笑わないで…」
「だって面白いし。」
子供みたいな笑顔を
浮かべる夏川大地に
キュンってなる。
そんな自分が
嫌……。
今日気付いた感情。


