“会いたい”なんて
一言も言ってない。
夏川大地と電話してて。
友達にはたまには素直になんて言われたけど…
向こうにいて幸せそうな夏川大地には言えない。
ずっと
離ればなれになったら
なんて不安もある。
でも
夢の為だと私は毎回
気持ちを抑えてる。
寂しいなら私も
夢の為に頑張れって。
どんなに辛くても…
それが私達の付き合ってる形で……
だから
『…里緒?』
はっ
「あ、ごめん。疲れてぼーっとしてたみたい。」
『大丈夫かよ?ちゃんと寝ろよ。お前は無理するからな…』
「大丈夫だよ。」
『心配だな。ほら、もう寝ろ。明日も連絡するから。』
「うん…お休み。」
『またな。』
いつも電話を切る瞬間が辛い。
寂しいよ、本当は。
でも、我慢しなきゃ。


