「今度の役は意地悪な女の子の役かぁ…」
私は台本を見ながら言う。
まだ主役はなれないけど
たまに脇役でドラマに出れるくらいにまではなった。
「早く主役出来るようにならないとなぁ…」
学校から帰っても
ドラマや映画を見て研究。
親は無理するなって言うけど、私はただ夢に向かって必死だった。
夏川大地と同じステージに立てるくらいになりたいから。
『里緒、良かったじゃねぇか。新しいドラマ!』
「うん、脇役だけどね。夏川大地も新しい映画やるよね?」
夜になると夏川大地と電話。
『ああ、すげぇ楽しいよ。いい勉強になるしよ。』
「そっか。」
だけど
辛くなるんだ。
夏川大地のウキウキした声を聞くと。
夏川大地が向こうに
ずっといるのかなって。
それが夏川大地の幸せなら私は…って。
私は指輪を見つめながら深く考えてしまう。


