姫は王子様だけのもの!




だけど


「続きは絶対今度会ったらな。」


長いキスが終わると夏川大地がにやっと笑って言う。


…うっ…


「は、はい…」


帰国したら大変だな…


「向こうで頑張ってくるから。お前の為に。だから、もう泣くなよ?」


「分かってるし。私…強いんだから!」


「そうか。里緒、意外と弱虫だから心配なんだよな。」


「はい?」


「俺が一番お前の事、知ってるから。」


…夏川大地…


「大丈夫だよ、私は!」


私が言うと夏川大地は
笑った。


夏川大地の為にも
私もいっぱい頑張るさ。







夏川大地はずっと私を強く抱きしめ眠ってた。


暖かくて安心する。


だけど


分かってたんだ、私。







「…バイバイ…」


次の朝、目覚めたら
夏川大地はもう家にはいないようだった。


別れが辛くなるからだ。