「今日は俺の家に泊まれよ。」
「へ?」
「最後の日も二人きりがいいからな。」
「うん…」
「さて、今日はどこいくらでもかな。」
夏川大地と今日は
いっぱい楽しまなきゃ。
泣いちゃだめ。
また会えるんだよ?
だから
強くなれ、私。
「地元戻るか。デートしようぜ。」
「うん。そうだね!」
「映画観て、買い物して……」
夏川大地は
ずっと明るくしてる。
泣いてない。
夏川大地のが
私より全然強い。
夏川大地が明るいと
私も泣いちゃだめだって
思う。
強くて夢に真っ直ぐな
夏川大地が私は好き。
だからこそ
遠距離に堪えて
応援しなきゃだよ。
「…寝てるし…」
チェックアウトを済ませ、帰りは電車。
夏川大地は私の膝を枕にして爆睡。
「寝顔可愛い…」
私は笑う。


