「大丈夫だよ、私…強くなるからね。」
私は夏川大地に言う。
「里緒…」
「今日だけは泣いちゃうけど…」
寂しいけど…
私達の夢の為。
「電話すっげーするし。早く立派な俳優になって帰ってくるから…」
「うん…私も…頑張るよ。」
「離れてもずっとお前だけだから。」
夏川大地は私を強く抱きしめ言う。
夏川大地…
「大丈夫、いくらでも…私は信じて待つから。」
涙を堪え、私は言う。
大丈夫だよ…
頑張るんだ、
私も夏川大地も…
「今日はずっと一緒にいるからな!」
「…夏川大地…」
「…でも。」
「ん?」
「明日は空港まで送りに来るなよ。」
夏川大地が言う。
「…え…」
「これ以上は離せなくなるから。」
夏川大地…
「うん、分かった。」
大丈夫、距離なんかに
負けないよ。


