姫は王子様だけのもの!



あっという間だった…。



「もう明日かぁ…」


今日、私達は帰る。


夏川大地はもう明日、
行っちゃう。


泣きそうだけど
我慢して今日は楽しむ。



だけど


「どこ行ったのかな…」


朝、起きると夏川大地は隣にいなかった。


トイレにもいないし…



「せっかくの最後の日なのに……」


明日でしばらくバイバイ。


もう

しばらくは
会えない…。


あれ…


気が付いたら目から涙が溢れてきた。


「だめだな、私。」


泣き虫弱虫……


夏川大地の為に
頑張らなきゃ。



だけどもう…



「里緒!」


……あ……


夏川大地が戻って来た。


「夏川大地…」


「泣くな、バカ。明日…行けなくなるだろ」


夏川大地は私をいきなり強く抱きしめる。


「ごめん…」



頑張るんだ、私。


強くなれ……