姫は王子様だけのもの!





結局…


「大地君、美味しい?」


「はい!とても。」



夏川大地はずっと
ニコニコ。


まさか夕飯を
一緒にするとは…


夏川大地ってば…



だけど


側にいられるのは嬉しい


「そういえば、聞いたわ。夏川君…仕事でアメリカに行くんですってね…」


ママが言う。


……あ……


「はい。寂しいですね。」


遠距離……


何回もその言葉が
私を辛くさせる。


夏川大地と離れる。


頑張って堪えなきゃ。



だけど…


「里緒、明日レッスン行くな。」


ママがいなくなると夏川大地が言う。


「は?」


「いいな?着替え多少まとめておいて。」


「へ?」


「夏休みは何の為にあるもんだ?」


「へ?演技のレッスンの為。」


「…違うだろ。」


夏川大地はそう言うと私の髪に触れる。


……え……