だけど
「…分かってる、俺は里緒信じてるからな。でも、もう関わるな…」
夏川大地は私の身体を離すと言う。
夏川大地…
「…私は夏川大地じゃないとやだよ。」
私は夏川大地に言う。
「…里緒…」
「演技でキスされるなら平気。でも、いきなり無理矢理されるのが怖かったから…。」
動揺するに決まってる。
夏川大地以外の人と
キスなんて……。
「…怖かった?」
「うん。高梨先輩でも。夏川大地じゃないとだめなんだよ、私…」
私が言うと夏川大地は私の頭を撫でる。
「里緒…大丈夫だから。俺が側にいてやる…」
「だ、だめだよ!夏川大地はハリウッド…」
「そう…だったな。でも、俺だって不安だよ。里緒に何かあったら…」
「…平気だよ。高梨先輩には近付かないから…」
「本当に?」
「うん…」
私はそう言うと夏川大地に抱きつく。
大丈夫だよ…夏川大地。


