姫は王子様だけのもの!



「…無理矢理にか?」


夏川大地が聞く。


「だったら?俺は…ただ、里緒ちゃんに俺を見て欲しくて…」


「…悪いが、里緒は無理みたいだな。」


「…でも、そういうお前だって里緒ちゃん強引に振り回したりしてただろ。」


……え……


「俺が?」


「里緒ちゃん置いて、よく行けるな。お前が行ってる間、俺が里緒ちゃん狙っちゃうかもよ?」


高梨先輩が言う。


……え……


「お前…」


「俺もお前に負けないくらい里緒ちゃん好きだから。」


高梨先輩が言う。


高梨先輩…


「あ、じゃあ俺は行くわ。あ、そうだ…里緒ちゃん。他の男にキスされるくらい慣れないとだめだよ?演技できるの?そんなんで。」


高梨先輩はそう言うと、離れた。


「くそっ…」


夏川大地…


「ごめん、夏川大地。私、高梨先輩にそんな事されると思わなくて…」


私は夏川大地に言う。


私、私…