「俺、ずっとモヤモヤしたじゃねぇか。」


夏川…大地…



「そっか。」


私は笑う。


「何で笑うんだよ!?」


「だって嬉しいから。」


私が言うと夏川大地は私の頭を叩く。


「痛っ…」



「もう高梨には近付くな。あいつ、里緒狙いだし…」


「あ、うん…」


「でも、演技良くなったじゃねぇか。高梨のおかげってのがむかつくけど…」


夏川大地…


「それは、夏川大地のパートナーになりたかったからだよ?」



私は夏川大地に言う。


すると


「もう十分だ。」


夏川大地は私の髪に触れ言う。


――ドキッ


「そ、そうかな…」


こ、この感じは…


「…おい、バカ里緒。」


「なっ…」


私は言い返そうとする。


だけど


気がついたら夏川大地に唇を奪われていた。