「それと、台本とキャスティングも。あえて俺が校長にリクエストして…」
む、む、むかつく…
「ふ、ふざけんな…」
「里緒が鈍感だからいけないんだろ?」
や、やっぱり
「夏川大地なんて大嫌い!世界一嫌い!!」
私は夏川大地から離れる。
ひ、人の辛さを
分からないで……。
夏川大地の…夏川の…
「…悪かった。」
夏川大地が言うと私は
立ち止まり、夏川大地を見る。
……え……
「ただ、俺は里緒を自分のもんにしたかっただけだ。」
「…はい?」
夏川大地…?
「ここじゃ、あれだから。」
夏川大地はそう言うと、私の手を引く。
夏川大地……?
どういう事……?
――ガチャ
「…ここなら二人きりで話せるな。」
夏川大地は自分の部屋に私を連れて行くと言う。
……え?


