幕末――――………


「………はぁっ………はぁっ……」



何万人も死んだ戦の跡を、
駆け抜ける1人の男がいた。


男は絵師である。


男は、妖怪画を書いていた。


だが、どれほど妖怪画を書こうと男は満足しなかった。