次の日、俺は退院した。


もともとどこも悪くなかったんだし、
早くて当たり前だよな。


午後、おっさんが迎えに来てくれた。


「退院おめでとうって・・・言っとくべきなのかな?」


少し戸惑った顔でおっさんが言う。


「別に・・・どこも悪くないですから。」

「だよなぁ。まぁ、気にすんな。」



本当につくづく変なおっさんだ。

こんなのが警察なんだから世の中分からない・・・。




「じゃあ、行こうか。送るよ。」


俺はおっさんの車に乗った。


「荷物は一応、君の部屋の物だけ送ってあるから。」

「はい。」

「結構広そうだったし、気に入ってくれるといいんだが。」

「用意してもらってすいません・・・。」

「いいんだよ。そんなこと気にすんな。」



今向かってるのは、俺の新しい家。

おっさんに頼んで、部屋を探してもらってたんだ。



本当は、叔父さんから電話で

『うちに来ないか・・・?君も・・・1人では辛いだろう・・・。』

って言われたんだけど、





俺は絶対に嫌だった。



叔父さんは、嫌いだ・・・。

叔父さんの家族も・・・嫌いだ。




叔父さんは・・・俺の父さんを笑った奴だから。