僕が彼女を殺しました・・・。

しばらくそのまま歩いた。

俺たちはずっと沈黙。



居心地の悪い空気だった。

俺がそうさせたんだけどね・・・。



気付いたら、大通りまで来ていた。



さっきの涙も、もう乾いてた。

だから俺は、振り返って千里の顔を見た。



「千里、何所の店だっけ?ちゃんと案内しろよな。」

そう言って、手を差し出す。


少しドキドキした。


こんな風に

手を繋いで歩くのは久しぶりだったし、

俺から手を出したことはない。

それに、

好きな奴がいるのに、

俺と手を繋ぐのは嫌かと思ったから。



でも、彼女は笑って俺の手をとった。


「おっけい♪こっちだよ。」


彼女は笑ってた。

だから俺も、つられて笑った。




俺は、何考えてんだろうな。


千里がそんな奴じゃないって分かってるはずなのに、


自分の気持ちが揺らぐと、

千里の気持ちまで疑ってしまう。





こんな弱い気持ちじゃ駄目だ。

こんな気持ちじゃ千里を受け止められない。

千里を守ってやれない。