その日、千里は夜遅くまで帰ってこなかった。
俺はただ、願うことしか出来なかった。
早く・・・帰ってきてくれ・・・。
早く・・・・。
暗い1人の部屋で、
千里が俺の誕生日にくれたブレスレットを、胸に当てて強く抑えながら、千里の帰りを待っていた。
―――ガチャッ
玄関のドアが開く音が、静かな家に響いた。
千里が帰ってきた。
やっと・・・帰ってきた。
時計を見ると、もう1時を回ってる。
こんな遅くまで・・・何してたんだよ・・・。
タッ・・タッ・・タッ・・タッ・・
ゆっくりと階段を上ってくる足音。
俺は、どうしてこの時に
あんな事をしてしまったんだろう・・・。
今思い出すと、後悔でいっぱいになる。
