―――トントンッ

「浩一?どうしたの?」



何にも知らない千里・・・。

お節介焼きな千里・・・。




こんな時・・・

とても・・・・憎く思うよ。





頼むから・・・


これ以上俺を乱さないでくれ。



これ以上俺を苦しめないでくれよ・・・。





ドア越しに、千里の温もりを感じる。


優しくて、温かくて、

涙が溢れた。








こんなに近くにいるのに。

手を伸ばせば、
すぐに届くところに君は居るのに。




どうしてこんなに、

俺たちの心は遠いんだよ・・・。










俺は、ドアの部に手を伸ばした。