この日、咲と健に会う事は無かった。
もともとクラスが離れているから、しょうがないんだけど。
前は毎日のように会っていたから、
健や咲は
俺に会いに来てくれていたんだと分かった。
俺が2人に会いに行くことは、
結局一度も無かったな。
・・・ごめんな。
家に帰ると、いつものように千里が笑って俺を迎えてくれた。
『おかえり。』
「ただいま。千里。」
「今日は、最悪な日だったよ。」
『どうして?』
「みんな、バカばっかり。つまんない学校。」
「そう言えば、お前覚えてるか?」
「俺が1年でお前が3年の時、冬で帰るとき暗くてさ、お前怖がりだから、一緒に帰ってたじゃん。」
「いつもみたいに昇降口で待ってたらさ、俺いきなり告白されて、はっきり断ったのにお前肝心なとこ聞かないでさ、走って先帰ったよな。」
「俺ずっと待てたんだぞ?」
「携帯には出ないし、家には帰って無いし、マジ心配した。」
「連れ去られたとか思ったし。」
『アハハ♪』
「お前、笑い事じゃねぇんだけど。俺あの時マジで焦ったんだぞ?」
『ごめん。ごめん。』
「あの後、俺が必死に探してやっと見つけた時お前泣いてたな。」
